キャンプ場と生け垣で仕切られた先はすぐ海になっていて、降りるとすぐに海岸が広がっている。

海沿いに歩いていると”式根島エンジョイマップ”たるものを発見。

写真を見てもらえばわかるように、自分がいるところは釜の下海岸のキャンプ場。
オンシーズンは地図の北にある大浦キャンプ場が開放されるっぽい
後ほど知ったのだが、釜ノ下の名前の由来は昔塩作りが盛んで、塩を作る際に焚いた釜がここらに多く作られたことにあるらしい。
確かではないけど、小笠原諸島って島流しとかで罪人が送られたって聞いたことあるから、もしかするとそういう場所だったのかもしれない。憶測だけど。
そんなこんなで、ここまで送ってくれたおじさんが教えてくれた温泉の方へ向かってみる。
ちゃんとした看板があるわけでもなく、道は港の中へ続いてく。
でも確かにかすかながら硫黄の香りがする。
行き止まりと思われた時に突如トンネルを発見。

抜けると・・・

いきなり温泉です。
写真右の小さな小屋が脱衣場。
ここで水着に着替えます。
海抜0Mの温泉なので、入ると暖かい海に入ってるみたい。

岩場にはフナムシが無数にいてすっごく気持ち悪い感じですが、それよりもフナムシって温泉みたいに熱いお湯でも平気なんですね。ってとこに妙に感心したりした。
それにしてもフナムシってやつは気持ちが悪い。
結構お湯が熱いので出たり入ったりを繰り返していると、奥に道がある事に気がつく。

3分くらい歩くとまた温泉があった。

温泉に人が入っていたのでバッチリ写真を撮ることができなかったが、上の写真の岩場の間に温泉がある。
ここの温泉は海水で温度調節をしている人のことで、塩の満ち引きで温度が変わるらしい。
私が入った時は塩が満ちていたので、お湯加減はヌルめだった。
まぁ温度というより、お湯に浮いているマリモみたいな得体の知れないヌルヌルが気持ち悪くて早々に引き上げた。
しかし、観光客がいるというよりも、地元の人が普通に入りに来ているといった感じで、まさに生活の一部。
近所の人が同じ温泉に入って雑談をしている姿は都会の生活では確実に見られないので、なんだかカルチャーショックだった。
ヌルヌル温泉からはじめの温泉に戻る。
一日することもないので、2時間くらい本を読みながら温泉に浸かっていた。


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体がぽかぽかになったところでテントに戻る。
すると自転車(ロードバイク系)乗りの2人組学生風が海岸沿いの道を水で洗っている。

周りには鮮血が…。
ケガでもしたのか?と思い近づいてみると鶏肉が地面に広げられている。

よく見ると周りには鶏の羽がひらひらと舞っている。
おおよそ予測はできたが、学生さんに聞いてみると。
「島の人から鶏を一羽いただいたので締めて食べるんです!」
と元気な答えが返ってきた。
どういった経緯で鶏を一羽もらえるのかが気になるが、
それよりも鶏をもらって自分たちで絞めて食べる彼らの行動力に関心をした。
正直、初め見たときはグロテスクな印象を受けたのだが、動物を食べる行為に対して、殺す行為と向き合う姿勢になんだかハッとさせられた。
あと、無類の鶏肉好きを自称する私は単純に鶏肉が食べたかった。
殺鶏現場で血まみれの出刃包丁を横に手を合わせる彼らを横目に、自分も腹が減っている事に気がついた。
そうと決まれば晩飯の支度を始めなくては!
日が沈むと暗くて何かと不便である。
米を炊くのは二回目なので、全開に比べるとだいぶいい仕上がりに、
水の分量は前回を参考に少なめ、蒸らし時間を長めにしてみた。
写真を撮り忘れたが、米・缶詰・味噌汁を食す。
蚊がひどいのでテント内で飯を食っていると外が賑やかになってくる。
いい匂いもあたりを包んだ。
キャンプ場の釜の周りでヤング達が飯を作っている。
いいなぁ。俺もこういう事を学生の時に沢山しておけばよかったなぁと思いながらテントから彼らを眺めてる俺。

彼らからすれば気持ち悪いおっさんである。
さっきの鶏肉も彼らの口に次々に運ばれていった。
その後、夜の港が綺麗だったので三脚を担いで写真を撮りに行き、
戻るとテントの前でコーヒーを啜る。
少しとなりの外人さんと話をする。
彼らは前日新島のキャンプ場でも見たことを思い出し、つたない英語で出身を聞いてみるとフランスとのこと。
さすがフランス人。食べているものもフランスパンだった。
夜に波の音を聞きながらコーヒーをのみ、いろいろ満たされたのでその日はそのまま寝てしまった。
蛙
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