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2008/11/03

三日目2

目的地は万座ビーチという情報だけなので、来るバス毎運転手さんにこのバスは万座ビーチに行きますか?と尋ねる。
数台を見送ったところで万座ビーチへ行くバスを発見。早速乗車。

大体1時間半くらいだったと思う。
ひたすらわからない道をバスの中から眺めているのも気持ちいいものでした。
天気はいいし、空は高いし、乗り物に乗っているのは元々嫌いじゃないのでこのままずっと乗っててもいいかな~なんておもってボーっと万座の近くまで。

とにかく降りるバス停を知らない俺は1時間経過したあたりから敏感になる。
そして「万座」というバス停を知らせるアナウンスが、欠かさず下車ボタンを押す。
しかし停まったバス停からはビーチが見えない。何で乗るときは万座行きか聞いたのに下車場所を聞かなかったのかひどく後悔する。

すると一軒のやたらおしゃれなカフェを発見。
ドアのつくりから相当のこだわりを感じる。
時間の余裕もあり、のども渇いていたのでそこで一休みがてら道を尋ねることにした。

店内に入るとやはりきれいなつくり。
席もゆったり取られていて、いすやソファもかなりいい感じ。
観葉植物がいたるところに配置されておりリゾート丸出し。
さすがリゾートホテルが並ぶ地域だなと。




ターゲット層もリゾート目的の客だろう。店員さんも健康的なお姉さん二人。
とりあえずアイスコーヒーを注文してソファで一休み。
そして万座ビーチはどこにあるのかを尋ねてみた。

俺「ところで万座ビーチはどこですか?」

おねえさん1「え?ここからだと結構ありますよ?車で5分くらいかな?」

俺「バスで万座って・・・。」

おねえさん2「確か万座ビーチってバス停が次かその次にあったような・・・」

俺「・・・・」


またしても、前夜に引き続き降りるべきバス停の前で下車するというミステイクをする。
しかも車で5分って事は歩くと10分以上かかるって事か。

俺が失意と暑さで呆然としているとおねえさん2がちょっと聞いてきますね!と言い残して外に出て行く。
誰に聞くのだろうか・・・。どちらにしてもありがたい。
確かな情報を仕入れにいってくれたおねえさん2を待ちながらよく冷えたアイスコーヒーをいただく。

しばらくするとおねえさんが帰ってくる。
どうやら歩けない距離でもないらしい。情報元は不明だったが、バス停を間違えて式に遅刻するのも馬鹿らしいので急いで向かうことにした。
アイスコーヒーの勘定とおねえさんにお礼を言うと元気に店を飛び出した。
ぜひ今度この近くに来ることがあればよりたいと思った。

それにしても外は暑い。
6月の末だったので東京はまだ肌寒い日もある時期だったが、沖縄は明らかに夏。紛れもなく夏だった。
さっきまでクーラーの効いた部屋にいた俺は、3歩あたりですでに汗が全身から噴出していた。
そしてさっきのバス停チキンレースの粘りのなさを悔いた。
よく考えたらわかったのに・・・。万座ビーチってすごく有名なリゾート地なのにバス停がない筈がない。
それなのに俺は万座と聞いただけでバスストップ。なんて情けない。
そんなチキンな俺の罰だと言い聞かせながら照り返しのきついアスファルトの道を一歩一歩踏みしめた。

しばらくすると海が見えるようになってきた。
橋を渡るとすぐにビーチらしいものが見える。
そして道路の看板を見ると
「←万座ビーチ」の文字が。

すると俺の出席を心配した友人からの電話。
もうすぐそこまで来ている事を告げると安心した様子で「チャペルで」と。
気取りやがってと云う俺の足は明らかにさっきに比べると軽くなっていた。

万座ビーチホテルのゲートを横切ると守衛さんに行き先を聞かれる。
チャペルだと告げると、ここから歩くと距離があるのでバスを呼びますと言ってくれた。
そのバスに乗りホテルまで到着。安宿を転々としてる俺は久々のリゾートホテルに少々圧巻される。

一応正装しようと努力し、かりゆしに着替えたいのでホテルの人にどこか着替える場所はないかと尋ねると、
水周りは使わないでくださいねと部屋を一室貸してくれた。やっぱりホテルのサービスはいい。初日のスプリングがおかしいベットに寝て寝違えていた俺なんかに部屋をポーンと貸してくれた。
着替えを済ましてロビーに戻り、式の始まる時間を尋ねるとすでにチャペルには入れるとの事、ならばと俺はチャペルで待つことにした。

急ぎ足でチャペルに向かうと立派な建物が見えてきた。
焦りと興奮で俺はよくわからなくなっていた。
そこで事件が・・・。

俺はこの旅にカメラを二台持ってきていた。
ひとつはNikon F3 と Ricoh GR Digitalだ。
その二台を肩から提げて小走りをしたものだから、強固なボディのF3さんがデリケートで有名なGRさんの液晶に対してぶちかましをキメていた。
俺はチャペルの外観を広角で下からあおるアングルを頂こうとしたときに初めて気がついた。

液晶が悲惨なまでにグッチャリしていた。

ザ・ワールドである。

まさに時間が止まった。
いわば今回の旅は今日こそ本番なのに、その直前にカメラが壊れるってどういうことなんだ!!
俺の馬鹿!

幸いにも壊れたのは液晶だけのようだ。(たぶん。)
壊れているのは液晶だけと信じてとりあえず勘でシャッターを押す。
こうなれば構図など考えないで、数打ちゃ当たる作戦をするしかない。
よってこれより出てくるカラーの写真はすべて液晶なしで撮った写真です。








さぁここから今回の旅のメインイベント結婚式が始まる。
ここで一度整理しておこう。

まず今回の結婚式には俺以外は親族しかいない。
また、俺は新郎新婦の親族には面識がない。
さらに俺の容姿は基本的に初対面の人には好印象は与えることがない。

上記の要素を踏まえはじき出した方程式によい結果は生まれるだろうか。
俺は正直不安だった。
せめて式が始まる前にご両親に挨拶をして円滑に事を進めたい。
俺は最大限の笑顔でご親族にご挨拶を!と心に決めチャペルへ飛び込んだ。

「はじめまし・・・・て?」

白にまとめられたチャペルにはリゾートにふさわしく祭壇のバックに大きなガラスの窓があり、その先には青い空と海が広がっている。



なんて神秘的な空間なんだ…。
「ここで結婚式を親族だけで挙げるなんて贅沢ですね~」

って誰もいない!

やばい!俺が一番乗りだ!
神聖な結婚式に親族より俺が先に入ってるという大失態。
居候が一番風呂に入ってしまう様な気まずさが俺を襲う。

外で待つべきかこのままおとなしくしているべきか・・・・。迷っているうちに外から声がしている。

ジーザス。

こうなれば最大限の笑顔で迎えるしかない!

緊張の一瞬。


ドアが開くと新郎のご両親・お兄さん・お兄さんの奥さん・おねえさん。新婦のご両親・お兄さん・お兄さんの彼女(後に判明)
俺が何から話そうと探りながら挨拶をすると新郎のご家族が俺の事を察して暖かく迎えていただいた。
無駄な心配でした。

以前から聞いてはいたのだが、新郎のご家族はかなり気さくな感じですぐに打ち解けることができた。
大学時代からの友人なので、いろんなエピソードは耳に入っていたらしく初対面だとは思えないほど一気に打ち解ける。
新郎のお姉さんに至っては写真で見たよ~と俺に良くありがちな写真情報先行型の初対面だったので、すごくやりやすかった。

新婦のご家族は新郎の家族に比べるとやはりよそよそしさがあったが、突然の巨人の登場にも関わらず、歓迎してくださった。

ついさっきの気まずさはご両家のご家族によって要らぬ心配でした。

しばらくすると式がそろそろ始まると係りの方からアナウンスがあった。
そしてパイプオルガンの演奏が始まる。

中央のドアが開き新婦が入場。

ここからは一般的な式の流れだが、やはり親族だけのリゾートウェディングである。
なんだか今までの式と一味違う。

なんか新鮮だ。


俺は両家の座っている席の一番後ろに座っていたので、新しい家族一同を後ろから眺める形に。
新しい家族の向こうには新郎新婦。
その先には大きな窓があり、そこからは青い海が広がってビーチに白い波が揺れている。南国の初夏の風に草木と原色の花々揺れていて、蝶も舞っている。

これが地味婚・・・。全然地味じゃない・・・・。




ここ数年でいろんな結婚式に出席させていただきましたが、今回の式は全く未知の体験で、これも一つの選択しだなぁと、全く結婚の気配の無い俺が思うくらいだからこの場に結婚を考えているカップルなんぞいたら失神しているんじゃなかろうか。



ともあれ、クラッシャーF3とちゃんと写っているのか分からないGRでひたすら写真を撮りながら式は無事終了し、二人は神の御許に結ばれたのでした。

チャペルの外でも幸せの鐘たるものを二人で鳴らしたり、シャンパンで乾杯したり(暑い中飲む冷えたシャンパンはかなり旨かった。モナコセレブ気取り)
恥ずかしい二人の写真を撮ったり。(知人には是非見せたい。)

式場のカメラマンが引くぐらい積極的に写真を撮りまくっていました。
「蛙くん(仮名)は家の専属カメラマンだなぁ~」なんて言われて実に微笑ましい空間を満喫させていただきました。


これから一同は食事会をする予定で、俺はここでおいとまさせていただく予定だったのだが、ご両親がどうせなら一緒に食事をしませんかとお心遣いをいただいたので、厚かましくも急遽ご一緒させていただくことに。
まともなご祝儀も用意していない俺は恐縮しつつも喜んで参加させていただきました。

家族だけの結婚式に不純物が混ざってしまうのはどうかと思ったのですが、シャンパンで勢いづいていたし、正直飲み足りなかったのであまり遠慮せずに即決したのは内緒です。

奇妙な組み合わせながらも楽しく食事をさせていただき、ケーキ入刀。
そして俺が北谷で買ってきたプレゼント(表)を渡す。
ペアルックを渡して、家族と一緒に新郎新婦を冷やかす。
意外にこのプレゼントの受けがよく、(値段の割には)えらい感謝されたのでした。
望まずともぐんぐん上がる俺の株。
親戚的な感じで馴染めてしまったのも一様にご両家の懐の深さでしょう。

そしてこっそりプレゼント(裏)をわたしてお開きの時間に。

かなり楽しかったので、今度実家に遊びに行きますので!と半ば強引に那須のご実家に宿泊の予約をする。
第二の故郷を思わぬ所でゲット!


このまま楽しく飲んでいたかったのですが、さすがにこれ以上滞在するわけにはいかないと酔っ払いながらも判断し、ご両家にお別れを告げてまた一人の旅が始まったのです。



その時の時間は16時。沖縄の太陽はまだまだ高いところにいます。
酒も入っていたし、このまま一日は終われないなと思っていた俺は、選択を迫られていました。

・このまま北上する。
・南下して宿の方向に戻る。

の二択です。

この状況での答えはもちろん北上でしょう。

基本的に俺が物事を決める時は俺の頭の中にいる小さな11人の俺が多数決をして決めます。
今回の会議で保守的に南下を主張する奴が数名いましたが、そんな野暮な事を言う奴はさっさと東京に帰れ!と小さな俺がボコボコにされていました。
よって俺は名護行きのバスに飛び乗る事になりました。

やはりバスの中は数名の乗客だけでした。俺は大体後ろの席に座ることが多かったのですが、今回ばかりは前の席の方に腰をかけました。
すると素敵なプレゼント!



俺が座ったピンポイントの席に誰かがくれた(忘れていった)缶チューハイが。
東京でこの状況ならば間違いなく毒入りを疑わないのですが、ここは南国沖縄。
そういう発想を持っている人がいる訳がない。と信じている俺が取った行動はもちろんありがたくいただく意外にありません。
まぁ気持ちよく酔っ払っていて、目の前にお酒を出されただけの話なんですが、開封されていない事だけを確認し、プルタブに指をかけました。
プシュー!っと景気のいい音がしたので安心していただきました。
疲れていたのか、さっきの酒が効いたのかいつもよりアルコールが高い気がしましたが、この場合はむしろ好都合でしょう。楽しいバスの旅が始まったのです。

何分か走ったあたりで素敵なビーチ沿いを走る道に出ました。
おそらくどこかのホテルが所有しているビーチなのか、きれいに保たれています。
水平線の向こうには沈みかける太陽が。

今日はここで夕日の沈む様を見届けよう。

直感的にそう思った俺はすぐに停車ボタンを押して次のバス停で下車しました。
チューハイはまだ半分以上残っていたので、まだ楽しめます。

歩道とビーチを隔てる柵を越え、ちょっとした林を抜けるとビーチ。砂浜と海と太陽だけ。
遠くの岬にホテルが見えますが、シーズンもまだ始まったばかりだったので、ビーチには人影はありません。人が管理している証拠にコンクリートとタイヤの跡がありましたが間違いなくこのビーチにいるのは俺だけでした。


なんて贅沢な時間なんだと酔っている俺は一人で感動しました。。
また太陽と水平線の距離は離れていて、すぐに夕日が沈む姿は見られそうにありません。俺はとりあえずパンツ一丁になる事にしました。
暑かったし、タンクトップ焼けを目立たなくしたいとも思ったけど、一番シックリ来る理由は服を着ている事に違和感を覚えたからでしょうか。
今という時間は普段コンクリートジャングルで生きている俺が、自然と一体化する大切な時間なんじゃないのか?という自分自身への問いかけの答えだったのです。
砂浜と太陽と海と俺しかいないのに、服を着ている意味があるだろうか。


「いや、ない。」


俺はしばらくその姿で足だけ海に入ったり、音楽を聴いたり、本を読んだり、チューハイを飲んだりしていました。
やがてある事に気がついたのです。
じゃあ俺の履いているパンツってなんだ?これこそ俺が、俺自身が、自然と自分を隔てている証拠ではないのか。ここには砂浜と太陽と海と俺しかいないんじゃなかったのか?
パンツってこの時間に必要なものなのか。


「いや、必要ない。」


俺は迷うことなくパンツを脱ぎ捨て、この世に生まれて以来はじめて自然に帰ったのです。
それは今まで服を着ていることが不思議になるくらい開放的な体験でした。
欧米でストリートキングのお祭りや、ヌーディストビーチがある理由が一瞬で理解できました。


「これだな。」


俺は小さな声でつぶやきお粗末な一物はお天道様とご挨拶。
俺は完全に自然のひとつの要素として溶け込んでいました。

途中、犬の散歩をしている人が向こうからやって来ましたが、肌色の物体に気がついたのか、いつもの散歩コースなのかわかりませんが、50M前くらいでUターン。
その時はさすがにパンツを引き寄せ、いつでもはける準備をしていましたが、それ以外は夕日が沈むまで全裸を楽しみ、夕日が完全に沈んだ跡に来る紫や青色、そして完全に黒にになるまで楽しみ尽くしました。



満足した俺は、暗闇でいそいそとパンツを履き、ズボンを履き。そろそろ宿に戻ろうと動き出しました。

降りたバス停とは逆斜線のバス停でバスを待っていると俺は何かこのまま一日が終わってしまう恐怖感を感じずにはいらせません。
全裸になって息子を太陽に紹介した俺にはまだ何かやり足りなかったのです。

しかしあたりを見渡しても何もないし、あったとしてもコンビ二と道路と車だけ。
そこで俺がひらめきました。

ヒッチハイクだ!

そうと決めたらもう俺の親指は勢い良く天を向いていました。
はじめはバス停で走っている車に親指を立てていたが、一向に停まりません。
なんとなく物足りない俺は歩いて南下を始めました。
右手で親指を立てながら暗い道をひたすら歩き始めました。

思った以上に車は停まってくれません。
今思って見ると、客観的に俺を見たらまず乗せようとは思わないだろうなと。
おそらく脱獄犯か強盗の類だと思われても仕方ない風貌ですから。
でも、全裸で高揚している俺がそんな事に気がつくこともなく、ヒッチハイクは続きます。頭の中ではあの雲のようにが流れていたのは言うまでもありません。
見た目はドロンズだけど。

4kmくらい歩いたでしょうか。
ぜんぜん停まってくれないので、次のバス停でバスを待とう。次のバス停で・・・と思いながらも、歩くことに楽しくなってしまった俺はひたすら歩き続けました。
だいぶ車の流れも少なくなってきたなと感じたころに奇跡が。

道端の自販機が並ぶエリアに走っていた軽自動車が2台停まりハザードをつけました。。
結構先で停まったので、俺ではないと思いながらも少し期待しつつ歩き続けました。
どんどん軽自動車が近くなり、手前に止まった自動車の中をのぞこうと思ったら運転手が出てきて自販機へ。
考えてみればここは小休憩場所みたいなつくりになっているので、車がジュースを買いに停まってもなんらおかしくない。ちょっと期待してしまった俺は恥ずかしくもその車をスルー。
二台目の軽自動車も同じだろうと期待せず通り過ごそうとしました。
そして真横を通った瞬間中からオジサンの声が。

「カレシ!乗りな!!」

期待していなかった分、驚きと喜びでちゃんと声が出ません。
おじさんは暴れる犬を必死で後ろの座席に繋いでいます。

いいんですか?と聞くと早く乗れとおじさんは言ってくれました。
カレシはでかいから乗れるかな?といいながらも助手席を勧めてくれたおじさん。
確かに俺はシティーハンターの海坊主ばりにぱっつんぱっつんで車に乗り込みました。

どこまで行くのかをたずねられ、北谷までだと返答するとそこなら通るから乗せてってやると快く引き受けてくれました。ここで気になってくるのは報酬的な事ですが、俺は乗せてくれたという事実だけでもうれしかったので、法外な金額を言われたとしてもいいかなと、あえて謝礼的なことは聞かないことにしました。
後ろの席では犬がひたすら不審な俺を至近距離で吼えまくっていましたが、今にも喉に噛み付きそうな犬でさえオジサンのやさしさで怖くありません。むしろ手を出して撫でてやりました。結構噛まれましたが、こいつとは北谷までの連れです。
仲良くしようと無理やり撫でていると、噛んでも噛んでもニコニコしている俺にあきれたのか犬は落ち着きを取り戻しその場に座り込みました。

おじさんの風貌は一瞬でガテンとわかる感じ。車内も仕事道具が散乱していました。
おじさんといろんな話を聞きましたが、とりあえず最初に聞いた話はおれみたいなヒッチハイクを見たら必ず乗せるようにしているという話でした。
沖縄は助け合いの精神で生きているから、困っていたり、助けを求められていれば力を貸してやるんだと。
思いつきでヒッチハイクをしている俺としては、オジサンの力を無駄に使わしてしまっているようで気が引けたけど、ご好意だと思ってありがたく甘んじました。

ほかにもオジサンは昔船乗りだったの話や、自慢の息子は青学を出ていて今は某有名な都市銀行に勤めいているという話。
沖縄にいる米軍の話。オジサン曰く、米軍は沖縄に核ミサイルを持ち込んでいるということでした。まぁない話ではないけども、沖縄現地の人から直接聞く米軍の話はリアリティがあるなぁと。
おじさんは米軍反対派の人。米軍がいなくなればもっと観光事業や産業が発達できると熱っぽく話してくれました。

それにしてもこのおじさんは車をすごい勢いで飛ばします。
軽自動車だから体感速度も速く感じるんですが、それこそシティーハンターばりにすり抜けを繰り返します。そしてやたらタンを吐く。
クーラーは全開なのに窓も両サイド全開。窓の外に3分に一回のペースでタンを吐く。
どこからそのペースでタンが生成されるんだと不思議なくらい吐き続けています。

しばらくすると会話が途切れ、俺は窓の外を眺めていました。
するとおじさんが不意に俺の前にタバコの箱を差し出しました。
俺はタバコを勧められてるんだと思って、断ろうとするとおじさんはこう言いました。

「俺はこのタバコを一日6箱吸う!」

いや聞いていない。

なぜその情報を俺に伝えたのかの真意は未だにわかりません。
窓を全開なのもタンを吐き続けるのもこれが原因なのはわかったけど、その情報はあまりにも唐突過ぎて俺はうまくリアクションが取れませんでした。
その他にも社内にあったボコボコの缶コーヒーと勧めてくれたりしましたが、その後行為は丁重にお断りさせていただきました。、
色々話をしてくれたのは会話が途切れたことに気を使ってくれたのかと思うと悪いことをしたなと。
とにかく優しくてあったかいおじさんでした。

やがて北谷が近づき、道端でおろしてもらいました。
お礼を言った時でお礼的なものをと思った時にはおじさんの軽自動車はまた勢いよく走り出しすぐに小さくなっていきました。
おじさんは最後に「またなんか機会があったらな!!」と言っていました。

なんだかあまりにも潔すぎてボーゼンとその場にしばらく立ち尽くして、一期一会を身を持って感じたような気分でした。
あまりも車内が狭すぎてカメラを出すことができなかったのでおじさんの写真が残っていません。今でもあのおじさんは本当に実在したのかわからないほどあっけない別れ。
だがそれがいい。

車を降りると急に腹が減ったので北谷の回転寿司屋に入る事に。
俺は寿司が好きで仕方ないので、地方に行った時には回転すし屋があればご当地物を選ばずに回転寿司屋に入っちゃうくらいですが、いつも思うのは寿司は江戸前に限るな。という結論。
なんだか物足りなかったが宿に戻ってとりあえず風呂に入る。
すると疲れがどっときたので、あえなく就寝。
まだまだ遊びたいのに疲れて寝てしまうなんていつぶりだろうなんて考えながら深い眠りについたのでした。


4日目に続く。


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